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PEKIのお悩み解決ブログBLOG

2021/09/30(木曜日)砂漆喰が無い場合も・・・

砂漆喰(中塗り漆喰)は昔は高価だった?


 

土壁漆喰
今では漆喰仕上げの中塗り(不陸調整材)としても必要不可欠の砂漆喰ですが、すべての状況において必ず使われていたわけではないようです。

古い建物の修繕や解体、または一部欠損している場所を確認しても、土中塗りの上に上塗り(通常の漆喰仕上げ)がされているのをよく見ます。

もちろん城郭建築や土蔵など、漆喰による大壁仕上げなどの場合は、十分な厚みで砂漆喰が塗られていますが、社寺や書院造りなどの真壁造の建築では以外に砂漆喰は使われていません。

考えるに・・・(何の根拠もない仮説ですが)

①そもそも昔は石灰が高価で一般の住宅には大量に使用できなかった?

②土壁の精度も高く不陸調整の必要が無かった?

③建築様式で軒が長く、直接風雨にもさらされないので厚く塗る必要が無かった?

などの理由が考えられますが、土の上に薄く(2mm程度)上塗りを塗って何十年も落ちずに保たれているのはすばらしいですね。

また、漆喰が剥がれ落ちても漆喰部分だけが綺麗に剥がれるので20~30年程度の定期的な塗替えを心掛ければ、土を傷めず何百年も持つんでしょうね。

漆喰が傷んだら土がむ傷む前にすぐにメンテナンスが必要ですね。

最近は、付着力や強度ばかりに目が行きがちですが、土壁・漆喰は自然素材のただの石灰岩ですから定期的なメンテナンスは当然必要になります。
それでも数十年もつのはすごいですよね。

以前上塗りだけきれいに剥がせる仕事が良い仕事。剥がれればまた塗ればいいじゃない。と言っていた左官屋さんもおられました。

何十年、何百年持つ工法も重要ですが、荒壁や、中塗り土が傷む前に定期的に上塗りだけメンテナンスすれば費用も少なくてすみますしね。

先人はやはりよく考えていたんですね。
<<砂漆喰とは・・・島かべ砂漆喰はこちら

 

先人の方はどんな方法で土下地に漆喰を塗っていたのか?

 

では、どんな工法でやってたのか、考えるに・・・(再度根拠のない仮説ですが)

①土に水湿しをジャブジャブしていた。(ちょっと現実的じゃないですよね、ムラ引きしそうです。)

②土に追っ掛けしていた。(これは今でもやられている人は多くいますが、土や藁すさによってはアクが出る場合があるので注意が必要です。特に寒い時期)

③引き糊を使用した。(これも現代でのシーラー替わりですから、今でもやられている人が多くいます。)

④上塗りの漆喰の糊が濃い。(③と近いですが・・・)

あと、土が入っていたり、紙すさだったり、貝灰だったり、色々仮説を考えるとおもしろいですね。

砂漆喰が塗られていない場合。

砂灰 砂漆喰 砂灰

砂漆喰が塗られている場合

砂漆喰

 

漆喰にご興味がありましたらお問合せ下さい!

 

2022/07/08(金曜日)土間たたき仕上げで表面の劣化を抑える方法?!|土間三和土(たたき)施工方法の検証

 


 スポンジ拭きで土間たたきの劣化を抑える!


 

昔ながらの土間たたき材料【重吉たたき】を使ってスポンジ仕上げ。

 

「重吉たたき」は、土と石灰とにがりがセットになった昔ながらの土間たたきです。
古民家や伝統建築の三和土(たたき)の施工は、「重吉たたき」をご利用ください!

元々は三和土の上を歩くわけではなくて、飛び石を伏せこんでその廻りをたたきにし、飛び石の上を歩いていたので劣化抑えられていました。
しかし、最近では飛び石がない場所へのたたきの採用が増えており、劣化しやすくなっています。なので施工時にちょっとひと工夫して表面劣化を予防することができます。
今回は、そんな劣化を抑えるために「重吉たたき」のスポンジ拭き仕上げをご紹介!

 

土間たたきスポンジ拭き施工方法

 

①バッサ状態(手で握り水分が出ない程度)に練ります。
※水分が多いと叩き締める際に材料が右へ左へ寄ってしまい上手く叩けません。

 


②叩き締める前にある程度全体が均一になるように敷き詰めます。その後万遍無く叩き締めます。
※いきなり叩き締めると不陸(凹凸)がうまくとれません。叩き鏝や木材でタコを作りたたくと重みがあってあまり力を入れなくても叩き締まります。

叩き終わっても、バッサ状態の材料を叩き締めているため表面が凸凹でザラザラしています。
このまま硬化しても表面がザラザラ状態なので上を歩くと削れてしまったりします。

 

 
③表面にスポンジで水分をあげながら整えていきます。表面に水分を含ませたら、分厚い鏝で全体を整えます。
水分を多く含んだ表面が密になり、表面強度が上がります。

 


④表面を整えたら(③)、当日もしくは翌日にスポンジ拭きを行います。
スポンジ拭きは、表面に浮いてきたノロ(表面にできた膜)を拭き取ることで、砂利が見えるような仕上がりになります。

 

酸洗い

⑥スポンジ拭き後、完全乾燥したら「酸洗い」の工程に入ります。
三和土はスポンジ拭き乾燥後は表面が白華(白く色ムラ)になるので、表面を酸で洗って仕上げ終了。

以上の工程で土間三和土の表面が密に結合しているため、削れに強い本物の三和土になります。
折角こだわりを持って採用頂いた三和土がいつまでも長持ちして頂きたいので、施工時のひと手間を加みてはいかがでしょうか?

 

【重吉たたき】を使った削れにくいスポンジ拭き工法のご紹介でした!

 

土間たたきに関する関連ブログはコチラ・・・

2020/01/26(日曜日)補修予定のお寺見学

前回、蔵の補修現場でお世話になった左官さんに「他に補修予定のお寺もあるからここから近くだしよかったら見てきてよ」と情報をいただいたので訪問してきました。
20180106_104507 20180106_104628
かなり大きいお寺で地元では有名なお寺のようです。画像はお話した左官さんが5年ほど前に漆喰で塗り替えた外塀の鎧壁です。よく押さえ込んであるので5年経過してもきれいですね、汚れがそれほどありませんでした。

こちらのお寺の次回補修予定箇所は中の建物なので残念ながら見ることはできませんでした。ただ左官さんからお聞きしたお話によると、汚れが目立ってきた漆喰壁の塗り替えで、壁自体はしっかりしていると言っていました。そのような塗り替え現場の場合は外部塗り替え用下地材「漆喰ベース」が便利です。もちろん左官さんにもご提案させていただきました。
漆喰ベース荷姿写真webサイズ300[1]
既存の漆喰壁の上に「漆喰ベース」を塗り、乾燥後新しく上塗り漆喰を塗るだけで塗り替えが行えます。古い漆喰壁への塗り替えの場合はぜひご利用ください。
漆喰ベースくわしくは・・・

 

 

電話でのお問合せ ☎0799-85-1147 スマートフォンをご利用の場合、こちらをタップすることで電話をかけることができます

 

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