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「社員の日々雑感!」の記事一覧

2025/11/28(金曜日)漆喰と土どちらがカビが生えにくい?

性質上漆喰の方がカビが生えにくい、ただし条件が揃えば漆喰にも発生する

 

先日古民家を購入し、改修をDIYでする予定のお客様からお問わせをいただきました。

購入した古民家は数年間空き家になっていたそうで、壁には土壁が施工されているそうです。

購入のポイントは立地や家の状態の良さもあったそうなのですが、土壁に囲まれた部屋の風合いの良さも気に入ったポイントでした。

ただ、数年間空き家で締め切った状態だったので、土壁にはカビが生えているそうです。お客様は土壁の風合いをとても気に入っているので、再度新しい土壁を施工して改修したい気持ちがあるのすが、カビが発生している現在の土壁を見て、土壁を選択すると再びカビが生えるのでは?と気になされていました。

 

 

そこでお客様は自分でお調べになり、漆喰がカビに強い、生えにくいという事を知り、漆喰を施工するべきなのか、それとも気に入っている土壁を選択するべきなのか悩んでおり、ご相談をいただきました。

お客様がお調べになったとおり、「漆喰」と「土壁」を比較した場合、カビが生えにくいのは「漆喰」です。ただし、たとえ「漆喰」を選択してもカビの発生条件が揃えば、漆喰にもカビは発生します。

 

 

現在の土壁にカビが生えている原因として、数年間空き家で締め切り状態で空気の流れなどがほとんどなかったことも大きいと思います。これからはお客様がお住まいになるので、日常的に窓やドアの開閉、人の動きもあり、空気の流れができます。それだけで今までとは屋内環境は全く違うものになり、カビがより発生しずらい環境になります。

素材だけで考えると「漆喰」の方がカビが発生しずらいのは確かですが、一番の原因はその環境条件なので、「漆喰」「土壁」どちらを選択したとしても、空気の流れを作ってあげることは重量です。「漆喰」「土壁」どちらも呼吸する壁材で湿気を吸う調湿性能がありますが、吸うばかりではなく、吐き出す環境も作ってあげることが必要ということです。

 

 

また、この度のお客様のように現在カビが生えている壁の上に塗り重ねて改修する場合は、現在発生しているカビを除菌や除去することも重要です。そのまま塗り重ねると、もともとカビ生えていた部分から再度カビが新しく塗った壁表面まで出てきます。

漆喰や土壁が持つ調湿性能も万能ではなく、生きている壁なので、吸った湿気を吐き出す環境も作っていただくことを意識していただけるとカビ対策になります。

2025/10/07(火曜日)壁から剥がした古い土【古土】を再度壁に塗るには?

新しい土(粘土)を混ぜて粘性を補填し再び壁に塗る

 

弊社は土の空間を五感で体感できる【土のミュージアム】を建築しました。

 

■土のミュージアムくわしくはこちら・・・

 

土という素材を体感していただき、土が持つ力、素晴らしさをもっとたくさんの方に知っていただきたいためです。

そんな土という素材も最近は「エコ」「SDGs」「再利用」などのキーワードから注目され、お問い合わせやミュージアムへ訪問いただく方が増えています。

そんなキーワードのとおり、壁に塗られている土を素材にした「土壁」は、剥がし落としたものを再度利用し、壁に塗ることができます。

ただし、剥がした古い土壁【古土】を再利用するには、その土の状態にもよりますが、注意点があります。

まず、異物を取り除く必要があります。古い土壁の剥がし方にもよりますが、剥がした土壁には木くずなどのゴミが混ざっている場合が多く、それらを取り除く必要があります。

 

 

次に粘土分(粘性)の補填です。

古い土壁は風化して粘土分が少なくなっている事が多く、剥がした土壁のみで壁に再度施工すると、壁への定着が弱いので塗った土壁が落ちたり、乾燥後の表面強度も弱く、もろい状態で仕上がることがあります。

 

ですので、昔から【古土】を再利用する場合は、新しい土と混ぜて粘土分(粘性)を補填し、施工する方法を取っている事が多いです。

実際に文化財補修の現場でも、剥がした土壁と新しい土を混ぜ、それから壁に施工する形を現在でも取っています。

 

 

古い土に新しい土を混ぜないといけないのはわかったけど、じゃあ割合は?という事になると、これも文化財補修の現場で多く採用されている容積比1:1をおすすめします。

容積なので同じバケツに1杯ずつの割合で混ぜます。

粘土分が十分にあれば混ぜなくてもいいのですが、その判断がなかなか難しいので、新しい土を混ぜた方が安心です。

 

古い土壁を再利用し、壁に塗る場合は新しい土の力もかりましょう。

 

2025/10/07(火曜日)「セメント」「漆喰」「土壁」など塗り壁材の凍害について

水を吸い込む素材は凍害になる可能性もある

 

寒冷地、特に冬の間、気温が氷点下になる事が日常茶飯事のような環境のお客様より、施工が完了した左官材(塗り壁材)の凍害のご相談をいただく事があります。

「コンクリート」「モルタル」「漆喰」「土壁」など、水の吸い込みがある左官材も寒冷地での使用実績はもちろんあり、凍害が起きていない現場もあるのですが、このような環境で、特に外部の壁面に施工を検討中のお客様には事前に凍害対策を取る事をおすすめしております。

 

水の吸い込みがある左官材が凍害になる過程は、吸い込んだ水分が気温が氷点下になることで夜間は凍り、日中は気温が上がり溶ける事をを繰り返すことで、左官材の強度が著しく低下します。強度が低下すると「割れ(クラック)」や「表面の剥がれ」などが発生することがあります。

ですので、水の吸い込みを抑える対策が凍害には有効となります。

 

 

寒冷地で外部の施工をお考えの方は、撥水剤などで左官材を保護し、水の吸い込みを抑え、凍害対策することをおすすめ致します。

 

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