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「社員の日々雑感!」の記事一覧

2025/10/07(火曜日)壁から剥がした古い土【古土】を再度壁に塗るには?

新しい土(粘土)を混ぜて粘性を補填し再び壁に塗る

 

弊社は土の空間を五感で体感できる【土のミュージアム】を建築しました。

 

■土のミュージアムくわしくはこちら・・・

 

土という素材を体感していただき、土が持つ力、素晴らしさをもっとたくさんの方に知っていただきたいためです。

そんな土という素材も最近は「エコ」「SDGs」「再利用」などのキーワードから注目され、お問い合わせやミュージアムへ訪問いただく方が増えています。

そんなキーワードのとおり、壁に塗られている土を素材にした「土壁」は、剥がし落としたものを再度利用し、壁に塗ることができます。

ただし、剥がした古い土壁【古土】を再利用するには、その土の状態にもよりますが、注意点があります。

まず、異物を取り除く必要があります。古い土壁の剥がし方にもよりますが、剥がした土壁には木くずなどのゴミが混ざっている場合が多く、それらを取り除く必要があります。

 

 

次に粘土分(粘性)の補填です。

古い土壁は風化して粘土分が少なくなっている事が多く、剥がした土壁のみで壁に再度施工すると、壁への定着が弱いので塗った土壁が落ちたり、乾燥後の表面強度も弱く、もろい状態で仕上がることがあります。

 

ですので、昔から【古土】を再利用する場合は、新しい土と混ぜて粘土分(粘性)を補填し、施工する方法を取っている事が多いです。

実際に文化財補修の現場でも、剥がした土壁と新しい土を混ぜ、それから壁に施工する形を現在でも取っています。

 

 

古い土に新しい土を混ぜないといけないのはわかったけど、じゃあ割合は?という事になると、これも文化財補修の現場で多く採用されている容積比1:1をおすすめします。

容積なので同じバケツに1杯ずつの割合で混ぜます。

粘土分が十分にあれば混ぜなくてもいいのですが、その判断がなかなか難しいので、新しい土を混ぜた方が安心です。

 

古い土壁を再利用し、壁に塗る場合は新しい土の力もかりましょう。

 

2025/10/07(火曜日)「セメント」「漆喰」「土壁」など塗り壁材の凍害について

水を吸い込む素材は凍害になる可能性もある

 

寒冷地、特に冬の間、気温が氷点下になる事が日常茶飯事のような環境のお客様より、施工が完了した左官材(塗り壁材)の凍害のご相談をいただく事があります。

「コンクリート」「モルタル」「漆喰」「土壁」など、水の吸い込みがある左官材も寒冷地での使用実績はもちろんあり、凍害が起きていない現場もあるのですが、このような環境で、特に外部の壁面に施工を検討中のお客様には事前に凍害対策を取る事をおすすめしております。

 

水の吸い込みがある左官材が凍害になる過程は、吸い込んだ水分が気温が氷点下になることで夜間は凍り、日中は気温が上がり溶ける事をを繰り返すことで、左官材の強度が著しく低下します。強度が低下すると「割れ(クラック)」や「表面の剥がれ」などが発生することがあります。

ですので、水の吸い込みを抑える対策が凍害には有効となります。

 

 

寒冷地で外部の施工をお考えの方は、撥水剤などで左官材を保護し、水の吸い込みを抑え、凍害対策することをおすすめ致します。

 

2025/02/04(火曜日)漆喰を冬に塗る場合に起こりやすい現象とは?

白華(エフロ)が発生し粉が付き、色ムラの原因にもなる

 

自然素材だけで作られる塗り壁材「漆喰」や「土壁」はセメントや樹脂(ボンド)が含まれていないため、その他の壁材と比較すると、塗ってから乾燥するまでのスピードは遅いです。

もともと乾燥スピードが遅い上に、冬は気温が低く、施工環境上でも乾燥しない条件が揃ってくるので、さまざまな不具合が起こります。

 

 

漆喰は乾燥スピードが遅くなりすぎると、白華(エフロ)という現象が発生します。いわゆる硬化不良の一種です。

白華はセメントやコンクリート、漆喰など強アルカリ製品に見られる現象で、セメント内部の石灰の結晶が水分で溶け出し、それが仕上げ表面に浮き出て、その結晶が表面で大きく育つと白くなります。

白華には「一次白華」と「二次白華」があり、「一次白華」は施工後~乾燥するまでの水分が原因で発生したもの。「二次白華」は雨がかりする部分などがその水分により施工完了後に発生したものになります。

白華は水分が原因の為、特に施工後~乾燥するまでに発生する「一次白華」は乾燥スピードに大きく影響を受けます。冬場など施工後、なかなか乾燥しない時期ほど白華現象はひどくなります。

白華した漆喰は表面を手で触ると、白い粉が付きます。このような状態をチョーキングと呼ぶ方もいます。この粉は衣服が擦れただけでも付くのでやっかいです。

また、白華はその名のとおり、白い粉が表面出てくる現象なので、カラー漆喰(色付き漆喰)を塗った場合は、色の付いた所と白い粉が表面出てきた所ができるため色ムラになります。

 

 

最近はマーブル調の仕上げを希望する方も増え、あえて色ムラのように仕上げる方法も人気が高いですが、色ムラがダメな方は冬のカラー漆喰施工はお控えください。

「一次白華(エフロ)」は乾燥スピードが遅くなることが原因なので、対策としては風が通るようにする、暖房設備の活用など、塗った漆喰がはやく乾燥する対策を取ることで症状は緩和されるので、どうしても寒い時期に施工しなくてはならない場合はお願いします。

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