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匠に役立つ塗り壁ブログBLOG

「社員の日々雑感!」の記事一覧

2021/09/10(金曜日)漆喰にシミが!実はそれ線香のアクなんです。

漆喰が黄色くしみてきた!何が原因?漆喰のプロにご相談下さい


3月~4月頃にかけて毎年1件~2件程度お問合せを頂く事例に、「漆喰面に茶色いシミが発生して壁が汚れている!」
このような内容のお問合せに対して共通するのが下記の内容になります。

「施工後すぐには出ていなかった。」
「気になってきたのは3月~4月頃から」
「下地は石膏ラスボードやプラスターボードに石膏を塗っている」
「ほとんどの現場が、お寺の本道や位牌堂など」

症状としては下記の写真のような現象で、基本的には天井に向かって濃くなっている場合が多いです。
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もう、皆さんがお察しの通り、このような場合の原因は線香の煙によるシミが考えられます。
「そんなに線香は焚いていない!」「他のお寺、改修前は、こんなことはなっていない!」
など、確かにそのような理由で線香ではなく下地からのアクや、漆喰そのものの変色ではないかと考えることも必要です。

もちろん、あらゆる可能性を探っていきますが、1つの事例を参考に線香では無いか?について検証していきたいと思います。

①施工後すぐにでていなかった・・・・
もし、下地材や下地からのアクの場合、漆喰の乾燥と同時にアクが上がってくるので、施工後すぐに出る場合が多いです。
以前は土壁に漆喰を追い掛けしたことで、漆喰面に写真と同じようなアクが発生したことがあります。しかし、今回の事例では下地はラスボードに石膏プラスターで、シーラーも塗っていることから、下地からのアクは考えにくいです。

②気になってきたのは3月~4月頃・・・・・
このような場合が多いのは、季節的な要因が関係します。実は、春先が原因ではなく冬場に原因が発生しています。お寺の本堂などでは冬場もちろん閉め切った状態で、ストーブや加湿器を利用します。このような場合、多くの人が集まることもあり「結露」が発生します。
「え!結露・・・発生してないですよ。」と言う場合が多いのですが、窓に結露するのではなく、漆喰が湿気を吸ってくれるので漆喰面が結露しているのです。特に近年は、素晴らしく優秀なサッシによる機密性と、石膏ボードへの漆喰薄塗り工法により、昔の土壁や木製サッシと違い隙間風などもありませんし、薄塗りの影響で漆喰自体の湿気を吸う量も少なくなります。※漆喰の調湿効果は薄塗りでも十分にあります。
これらの原因により漆喰表面が湿った状態が続きます。そこに、線香の煙が付着し溶けます。線香の煙は、水によく溶けます。

③壁面上部が濃い・・・
_DSC1783

写真は、換気扇周辺の写真です。煙は換気扇に向かって流れていくので、タバコのヤニ同様壁面上部や換気扇周辺が特に汚れてきます。

_DSC1779
これらの原因を総合すると、内部からのアクシミではなく、外部からのアクシミ(線香の煙)であると考えられます。
下の写真をご覧下さい。下の写真は、汚れている部分と白い部分の境がはっきりとしています。これは、施工後すぐより壁に額を飾ってあり、その額をはずして撮影したものです。
額の部分が白いのは、煙をブロックしていたからだと推測でき、もし下地からのアクの場合は、額の後ろも黄色くなると思われます。

_DSC1780

春先によくこのようなアクシミが発見される理由は、たぶん湿気もなくなり壁も乾燥してくる季節に目だって来るのでしょうね。
ちなみに、洗剤で洗ったり、サンドペーパーで擦れば取れたので表面に付着していることも確認できました。

線香の煙による、漆喰面の汚れには換気をよくして、ご注意下さい!

 

2021/09/10(金曜日)紙すさを使った漆喰壁「パラリ壁」・・・!?

伝統的なパラリ壁とは?


古い文献や文化財などの改修によく登場する漆喰壁の工法の一つに「パラリ壁」があります。
紙すさを使った伝統的な工法で、表面がブツブツ、ザラザラした仕上げです。

CIMG2101

詳しい配合や工法は大変難しい仕上げなので、詳細は省きますが、漆喰に混入されている繊維、すさが麻すさでは無く、紙すさで出来ている物です。

文献などを見ると、急なお客様などに対応する、取り急ぎ塗られるような仕上げとも書かれているので、本来の漆喰のように押えてフラットにするのではなく、塗りっぱなして意匠にしたデザインですね。

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なぜ?紙すさの漆喰なのかは不明ですが、「パラリ」と名付けた方はいったい誰なんでしょうね?ほんと不思議・・・

パラリ壁をやってみたい方はお問い合わせください。

 

 

2022/09/07(水曜日)伝統的な左官仕上げ「ドイツ壁」について・・・

 

伝統的な「ドイツ壁」は、独特な工法!?


 

ドイツ壁とは?

 

普通に街を走っていてもちょくちょく見かけるドイツ壁!

もともと、ドイツ壁は明治時代にヨーロッパから入ってきました。

工法が独特で、材料を「ササラ」という竹の道具で飛ばします。

飛ばされた材料は、重なり表面が凸凹に仕上がり立体感があります。

 

実際に「ササラ」を使って材料をぶつける!

 

ドイツ壁に使うササラは、こんな感じ・・・

ドイツ壁の道具 ササラ

ササラを使って実際に飛ばすと・・・

「ドイツ壁」の仕上がりは、まさに左官でしか生み出せない重厚感!

 

明治から伝統ある工法のドイツ壁は、モダンで洋風建築に合うオシャレな壁。

デザイン性の高いドイツ壁は、厚みもつくので耐久性も高く、外壁仕上げに使います。

 

「ドイツ壁」その他、左官仕上げのことならご相談ください!

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