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PEKIのお悩み解決ブログBLOG

2026/07/08(水曜日)世界情勢が変わっても品質は変えない

「原料が変わりました」

この一言だけ聞くと、簡単なことのように思われるかもしれません。

しかし、左官材メーカーにとって原料を一つ変更するということは、製品を一から作り直すことに近い作業です。

今回、一部製品に使用している樹脂原料を変更しました。

きっかけは、イラン情勢の影響により、これまで使用していた原料の供給が不安定になったことです。

「今はまだ使えるから、そのまま使い続ける。」

そんな選択肢もありました。

しかし私たちは、お客様へ製品を安定して供給し続けることを最優先に考えました。

そこで、将来を見据え、安定供給が可能な原料への切り替えを決断しました。

もちろん、原料は単純に入れ替えれば終わりではありません。

樹脂が一つ変わるだけで、

  • 粘度
  • 作業性
  • 接着力
  • 乾燥後の強度
  • 仕上がり後の色味

そのすべてが変化する可能性があります。

だからこそ、私たちは「原料が変わっても品質は変えない」ための検証を徹底的に行います。

今回対象となった製品は12種類。

それぞれについて、

  • 従来の樹脂
  • 代替原料①
  • 代替原料②

の3パターンを製造し、比較試験を実施しました。

つまり、

12製品 × 3パターン = 合計36バッチ。

36回製造し、36回すべてを評価するという、非常に時間と手間のかかる試験です。

一つひとつについて、施工性だけではなく、

  • 粘度は適正か
  • コテ離れや作業性は変わらないか
  • 十分な接着力があるか
  • 乾燥後の強度は従来品と同等か
  • 仕上がりの色味に違いはないか

細かな項目まで、一つずつ確認していきます。

この工程は、お客様には見えません。

製品が届けば、これまで通り使えて当たり前。

私たちは、その「当たり前」を守るために、見えないところへ最も時間をかけています。

原料を変更すれば、社内の仕事は何倍にも増えます。

それでも試験を省略することはありません。

なぜなら、お客様が購入されるのは「原料」ではなく、「近畿壁材工業の品質」だからです。

世界情勢が変わっても。

原料が変わっても。

私たちは、お客様が安心して使える品質だけは、決して変えません。

それが、左官材メーカーとしての私たちの責任だと考えています。

次回は、36バッチに及んだ比較試験の結果や、実際の検証の様子をご紹介します。

2026/07/03(金曜日)塗り壁が剥がれる原因は「材料」ではなく「下地処理」かもしれません

「漆喰を塗ったらひび割れてしまった」

「思ったより弱く、ポロポロと剥がれてきた」

「塗り壁材を変えれば改善すると思っていた」

このようなご相談を、私たちは数多くいただきます。

しかし実際には、原因が塗り壁材そのものにあるケースは意外と少なく、多くは「下地処理」にあります。

どんなに優れた塗り壁材でも、下地処理が適切でなければ本来の性能を発揮できません。

これはDIYでも、新築住宅でも、店舗でも、文化財補修でも同じです。

大正元年の創業以来、私たちは土壁・漆喰・土間たたきに携わり、多くの現場を見てきました。

その経験の中で断言できることがあります。

塗り壁の仕上がりは、下地処理で決まる。

今回は、DIYをされる方にも分かりやすく、「下地処理とは何か」「なぜ必要なのか」をご紹介します。

 

下地処理とは「仕上げ材が力を発揮できる土台をつくる作業」です

家を建てるとき、基礎工事をしないまま柱を建てることはありません。

塗り壁も同じです。

仕上げ材の前には必ず「土台づくり」が必要になります。

それが下地処理です。

例えば・・・

□表面のホコリを取り除く

□剥がれそうな部分を補修する

□水の吸い込みを調整する

□下地の強度を高める

□凹凸を平らにする

こうした一つひとつの作業が、きれいで長持ちする塗り壁につながります。

 

下地処理を省略すると、

□塗り壁が剥がれる

□ひび割れが発生する

□乾燥ムラができる

□材料が密着しない

□想定以上に材料を使ってしまう

といったトラブルにつながることがあります。

下地処理は「見えない工程」ですが、完成後の品質を左右する最も重要な工程のひとつです。

 

塗り壁の下地処理で体表的な5つの作業

① 下地を固める
弱くもろくなっている下地を強化剤などで固める作業

② 凹凸を平らにする
補修時凸凹しているなら穴埋めし、下地をフラット(平滑)にする作業

③ 吸水調整をする
モルタル、石膏プラスターなどスポンジのように水を吸う下地の吸い込みを抑える作業

④ 密着性を高める
下地材などを施工して、仕上げ材料がよく定着する下地をつくる作業

⑤ クラック対策をする
メッシュ(ネット)などを下地挟み込み下地補強する作業

 

私たちは「材料」ではなく「施工まで考えた提案」をしています

近畿壁材工業は、大正元年の創業以来、土壁・漆喰・土間たたきに携わってきました。

私たちが販売しているのは、袋に入った左官材料だけではありません。

現場に応じた施工方法や下地処理、材料選びまで含めてご提案しています。

DIYで初めて塗り壁に挑戦される方から、文化財補修を手掛ける左官職人の方まで、それぞれの現場に合わせたアドバイスを行っています。

「この下地に塗れるだろうか?」

「どの工程が必要なのだろう?」

そんな疑問がありましたら、お気軽にご相談ください。

塗り壁を100年以上見続けてきた知識と経験で、お客様の現場をサポートいたします。

2026/06/30(火曜日)塗り壁の「吸水調整」とは?DIYでも失敗しないための重要な下地処理を解説

一般の方でDIYをされているお客様より質問いただきました。

「古民家を購入しました。近畿壁材さんの補修マニュアルを参考に、自分たちでDIYで補修しようと考えていて、最終仕上げは漆喰にしたいと考えています。

古い土壁なので剥がれている部分も多く、凸凹しており、まずは古い土壁を強化剤で固めた後、凹凸を同じ土壁埋め、平滑するところまで現在すすみました。

ここで気になったのが近畿さんのマニュアルにあった【吸水調整】という作業。この作業がなんのために行い、またどの部分でする作業なのか教えてください。

ちなみこのあとの手順は平滑にした土壁の上に【島かべ砂漆喰】を施工し、最後に【島かべしっくい】で仕上げます。」

という内容でした。

 

吸水調整とは下地が水を吸いすぎないようにする作業です

 

【吸水調整】はその名のとおり、水の吸い込みを調整する作業ですが、塗り壁作業では下地が水を吸いすぎないようにする作業です。

塗り壁材には適度な水分が必要です。ところが、乾いた土壁やモルタルはスポンジのように水を吸います。

すると、塗った材料の水分まで奪われてしまいます。

その結果、

□材料が伸びない

□コテで整えれない

□ひび割れが発生する

□剥がれる

というトラブルが起きやすくなります。

そのため、事前に吸水調整材を塗って、下地が水を吸いすぎないようにします。

 

水の吸い込みが多い下地とは?

 

ご質問いただいたお客様の【吸水調整】が必要な場面は、土壁を塗って平滑し、乾燥した土壁に【島かべ砂漆喰】を施工する前。

もうひとつは【島かべ砂漆喰】を施工し、乾燥した【島かべ砂漆喰】の上に仕上げの【島かべしっくい】を施工する前になります。

なので、このお客様の場合、よく水を吸い込む下地は「土壁」と「砂漆喰(中塗り漆喰)」になります。

その他【吸水調整】が必要な水の吸い込みが激しい下地をお伝えすると、「モルタル」「珪カル板」「ブロック」「石膏プラスター」などがあります。

 

【下地】     【吸水調整】

土壁         必要

モルタル       必要

砂漆喰        必要

ブロック       必要

ケイカル板      必要

石膏プラスター    必要

 

吸水調整が必要な理由

 

今回のポイントをまとめます。

□下地が水を吸いすぎるのを防ぐ

□材料が塗りやすくなる

□ クラックを防ぐ

□剥がれを防ぐ

□材料ロスを減らせる

DIYで塗り壁を施工する場合は、「吸水調整」は決して省略してはいけない工程です。

 

今回ご紹介したような吸水調整には、当社の「島かべドライストップ」をご使用いただけます。


≫島かべドライストップはこちら・・・

土壁、モルタル、珪カル板など、水を吸いやすい下地の吸水を抑え、塗り壁材を施工しやすい状態へ整えます。

DIYのお客様にも扱いやすい製品ですので、これから塗り壁に挑戦される方はぜひご活用ください。

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