いつもお世話になっております左官様からご連絡いただき、外部漆喰塗りの現場へお邪魔してきました。お久しぶりに会うので私も楽しみにしておりました。
現場は非常に大きな一般のお家で使っている木材もりっぱなものばかり、圧倒されました。そこで左官様と議論になったのが、土中塗り下地に砂漆喰→上塗り漆喰と塗る方が漆喰壁が長持ちするのか?土中塗りに上塗り漆喰だけで仕上げた方が長く持つのか?とゆう内容でした。
通常外部施工で考えるとやはり砂漆喰→上塗り漆喰と塗る方が長く持つと考えます。それは施工後、上塗り漆喰になんらかの要因でクラックや収縮による隙間などができた場合、雨による水の浸入を砂漆喰の部分で抑える効果があるからです。上塗り漆喰のみで仕上げた場合、同じ状況になると水がすぐ下地の土中塗りまでまわり、土はみなさんもご存じのとおり水に弱い材料なのでそこから剥がれ落ちてきます。みなさんも上塗り漆喰は硬いけど、土中塗りから剥がれ落ちた現場を多々見てきた事があるのではないでしょうか?
実はここでお話した内容はもちろん左官様もご存じでした。ではなぜこのようなご質問をされたのかというと左官様は土中塗りに上塗り漆喰を塗った方が水引きムラが少なく、壁一面ムラなく漆喰を押さえ込めるからだと言っていました。これに比べ砂漆喰に追っかけで上塗りをかけた場合どうしても水引きムラがでやすく、しっかり押さえ込めた所とあまり押さえてない所が壁一面にできてしまうので、結果長持ちしないのでは?という事でした。左官様のご意見もいただき砂漆喰の上に一度引き糊をこすり水引き調整を行い、その後上塗りをしてはどうでしょうか?とご提案させていただきました。
漆喰に熱い情熱をもっている左官様なので、この度の現場もしっかり押さえ込まれていましたよ(^^)またよろしくお願いいたします。
>>引き糊レシピはこちら・・・
>>砂漆喰 城かべ中塗り用・・・
「問題解決のご提案!」の記事一覧
2017/06/16(金曜日)一般住宅の漆喰現場へ
2017/04/26(水曜日)社寺仏閣にはやっぱり漆喰ですね!
富山県南砺市にある城端別院 善徳寺では平成の大修理を行っております。
2012年から始まったこの大修理もそろそろ終わりに近づき、漆喰工程が行われる箇所も増えてきましたので訪問させて頂きました。
壁自体を新しくする箇所は新築と同じ要領での工法でいいですが、既存の部分を残しながらの補修は下地の劣化具合等を見て工法を変えていかないといけません。
現場での職人様の判断が重要になりますね!
漆喰がしっかりしている所は漆喰ベースを使い・・・
土まで見えるところは中塗土で直しを行い・・・
躯体が弱っているところは下地を作り直し・・・
職人様の判断と技術に感激しました。
2017/04/19(水曜日)黒しっくいの街並みに新たな建物誕生!
富山県高岡市に伝統的建築物が並ぶ街並み「山町筋」があります。
建物の多くは黒しっくいになっており、観光客も良く訪れるこの通りに、この度新たな黒しっくいの建物が完成しました。
高岡信用金庫 本店です。
すごい重厚感!
銀行のイメージではないかもしれませんが、この街には非常に良く合う素晴らしい建物です。
漆喰に松煙等を配合し真っ黒にした漆喰を塗り付けています。
さらに雨が当たると二次白華してしまうので雨がかりがありそうな箇所には二次白華防止撥水剤のプロテクターExを塗布しています。
これで黒漆喰を永く守ってくれるでしょう!
ちなみに道路を挟んだ斜め前には赤レンガの銀行 富山銀行本店があります。
5/1にはこの地域で高岡御車山祭が開催されます。
沢山の観光客が訪れる高岡市の大きなお祭りで、普段は御車山会館に保管展示されている7基の山車(やま)が揃う姿は圧巻です。
この行事そのものが国の重要有形民俗文化財・無形民俗文化財に指定されている大変珍しいお祭りですので、この機会に訪れてみてはいかがでしょうか??