MENUメニュー

匠に役立つ塗り壁ブログBLOG

2022/03/28(月曜日)荒壁土と中塗り土の違いは?

 

どちらも土壁ですが塗り厚と使用場所が違います


 

土壁に使う「荒壁土」と「中塗り土」の違い何か?についてご説明します。

【荒壁練り土】竹小舞下地に塗る土壁で、練り状で袋詰めしてあるのですぐに使え、荒すさと混ぜ合わせて使用する練り土

まず「荒壁土」は割れ防止ための稲藁をぶつ切りにした「荒すさ」と混ぜ、土壁の下塗りに使用します。この壁を荒壁と言います。

荒壁は、竹を格子状に編んだ「小舞下地」と呼ばれる下地に40~50㎜程の厚みを付け、塗っていきます。なので荒壁土は中塗り土と比較すると、非常に粗い骨材(砂利のようなもの)が混ざっています。

このように厚く塗る荒壁には、昔から伝統的な工法があります。それは荒壁土と荒すさを混ぜ合わせて練った後、長期間保管し熟成させる「腐り土」と言う工法です。

「腐り土」にすることで保水性が上がり、塗る時の作業性が良くなり、接着力も上がります。また、「腐り土」はより固くなり、強度も上がると昔から言われております。
ちなみに乾燥すると下の画像のように割れが発生します。田んぼが乾いたときのような状態です。田んぼも素材は土ですからね。

 

次に「中塗り土」は土壁の下地の荒壁とは違い、土壁の中塗りに使用します。

文字通り中塗りは、上塗りと下塗りの間の工程です。中塗り土は下地の不陸(凸凹)を平らにするために塗ります。

荒壁乾燥後の写真をご覧いただいても分かる通り、ひび割れが入り、表面も凸凹しています。そんな荒壁表面を平らにするために中塗り土を塗るということですね。

平らにすると上塗り作業が非常に楽になります。中塗り土が乾燥した表面は下の写真です。

荒壁の表面と全く違いますよね?これだけ平になったら仕上げ塗り(上塗り)が非常に楽になります。

なので下地の荒壁とは違い、約10㎜程度厚みで施工します。このため中塗り土は荒壁に比べると塗りやすいです。

あなたはが求めているのは、必要なのは荒壁土ですか?中塗り土ですか?塗り厚や、どの部分に塗りたいのかでご選択ください。

匠に役立つ塗り壁ブログ

CATEGORYカテゴリー

ARCHIVE月別アーカイブ