AWASOブログ

2025/11/26(水曜日)床や天板に採用する地元の石を混ぜた左官材オーダー

表面が滑らかで光沢(ツヤ)が印象的な黒い左官材

 

ご相談いただいたのはある公共施設の新築工事を手掛けておられる設計士様。

公共施設は小さな子供からご高齢の方までが利用する4階建ての施設で、その施設の1階部分のかなりの面積を占める土間をその地域の特有の素材を混ぜ、地元の方が親しみやすい空間をつくりたいと考えていました。

1階部分の土間に採用を検討していたのが「研ぎ出し」という伝統的な左官工法で、その仕上がりの特徴は表面を磨き込むことで光沢(ツヤ)があり、磨くため素材として材料に含まれた石や砂利が表面の意匠、デザインとなって見える仕上がりになります。

 

 

この「研ぎ出し工法」でつくるデザインを色は黒、さらにそこにその地域で採取される石を混ぜてオリジナルの土間材を作って欲しいというのがこの度のご相談内容でした。

依頼を受け研究、開発がスタートしましたが、このオーダーで難しかった点は材料の強度です。

磨く作業があるため、強度が高すぎても磨きにくくなり、また、磨くのに時間がかかるようになります。

逆に強度が弱すぎる場合は磨く作業ははやくスムーズになりますが、多数の方が歩いても問題が無い強度にする必要があります。

 

 

また、磨く作業は専用の機械を使用するのですが、使用する機械や何度磨くかでも仕上がりの表面が変化します。

かなりの面積があるため、できるだけ少ない回数の磨き込み作業でイメージされている仕上りデザインになるように材料の中身を調整する必要もありました。

さまざな難題がありましたが、お客様に提出したサンプルが下記になります。

 

 

サンプルをご確認いただき、施設へ採用していただく事が確定しました。

当社ではお客様がイメージしている建築の空間やコンセプトに合う床や壁材をオーダーで製造致します。

ご希望しているデザイン、色(カラー)、混ぜて欲しい素材などをお伝えいただければ研究、開発し、まずはご確認いただくためのサンプルをご提出致します。

お気軽にご相談ください。

2025/11/12(水曜日)施工可能な業者に合わせた【AWASO】オーダーメイド壁

左官職人の手配が難しいので塗装業者が施工可能な製品を

 

依頼いただいたのは、ある地方の工務店様。

その工務店様は長年競合他社との差別化にあたり、「自然素材の塗り壁を取り入れた住宅」を打ち出していたのですが、その地方では左官職人様の減少し、仕事をお願いできる方がいない事に頭を悩ませていました。

そもそも「自然素材の塗り壁」を差別化に取り入れていた理由は、呼吸や消臭などの塗り壁の性能はもちろんですが、一番の理由は塗り壁でしか出せないデザインの部分。

壁材として厚みを付けた立体的なデザインをつくれる塗り壁は、間接照明との相性が良くライトが当たる事で陰影ができ、空間に高級感や特別感をもたらすため、施主様に「ここの住宅はちょっと違うな」と感じていただきやすいそうです。

 

もう一つの大きな理由は「ここにいるとなぜか落ち着きますね」と言われる事。完成見学会などに参加いただいたお客様のアンケートにはそのように書かれている事が多いそうで、「自然素材の塗り壁」でしか感じていただけない重要な部分と考えています。

ただ、工務店様が塗り壁を施工したくても、鏝(こて)を扱う左官職人が減少し、お引渡し日までに工事を完了する事を想定すると、塗り壁を施主様に提案しずらくなっていました。

そこでこの度のオーダーメイドのご相談です。工務店様の地方では左官職人は減少しているが、塗装業(塗装職人)の方はかなり居るので、塗装で施工できる自然素材を使った壁材を作れませんか?というのが依頼内容です。

 

依頼を受け研究、開発をスタートしましたが、この依頼で苦労した部分はデザインの実現です。

 

 

通常塗装、塗料の材料は、ローラーや刷毛、スプレーガンによる噴霧で施工するので、施工する厚み(塗り厚)は非常にうすく、立体的なデザインを作ることができません。

しかし、もともと工務店様がコテで施工する塗り壁材にこだわっていたのは、厚く塗れることにつくり出せる立体的なデザインの部分。なので、塗装の材料ですが、ある程度の厚みで施工でき、立体的なデザインを作れる材料にしないといけません。

また、通常は塗装、塗料の材料の素材に使用する事がない「自然素材」を使用することもこの依頼の難しい部分でした。

難題をクリアし、工務店様に提案したのが素材に「土」を使用した下記のデザイン壁です。

 

 

サンプルをご覧いただいた工務店様は喜んでくださり、工務店様のショールームに施工していただく事になりました。

ショールームを訪れるお客様にご提案を行っていくそうです。

その後、ショールルームの施工前には、現場で施工する事になる塗装業者の方に施工レクチャーをさせていただき、その後施工していただきました。

 

 

当社ではお客様がしたい「デザインから」「施工方法から」「混ぜたい素材から」など、ご要望に合わせ壁材をオーダーメイドします。

壁材で選択でお困りの方はお気軽にご相談ください。

2025/11/01(土曜日)廃棄になるローカル素材を取り入れストーリーを創る

廃棄処分する地元の名産を壁の素材に

 

ご相談をいただいたのは、設計士様でした。

ある地方でかなり有名なホテルの改修工事の現在手掛けており、実はその工事はあと数日で終了するタイミングで当社にご相談いただきました。

ではなぜ、工事が終了するのにご相談いただいたのか言いうと、改修工事の打ち合わせで何度もそのホテルに足を運んでいて、改修場所とは別の劣化や汚れが気になる場所があったそうです。

設計士様はこのホテルのお仕事は初めてだったらしいのですが、改修工事の仕事ぶりが評価され、オーナー様から次回も何かあればぜひお願いしたいと言われたそうです。

ホテルのオーナー様と初めてのお仕事で密な関係を構築できた設計士様は、訪れる度に気になっていた、改修工事とは別の場所の改修提案もしたいと考えていました。

そこでこの度のご相談です。設計士様は提案するにあたり、ホテルのイメージに合うようただ綺麗に美しくするだけの改修提案ではオーナー様を感動させる事はできないため、プラスアルファでそのホテルらしさや、ホテルを利用する方の印象にも残るものを取り入れて提案しようと考えていました。

設計士様が取り入れようと思ったは、ホテルがある地域の名産。まだ、進行中のプロジェクトなので、その名産品が何かまでお伝えする事ができませんが、その名産品は自身の役目を終えると大半は利用価値が少ないため廃棄処分になるそうです。

例えるなら割って中身を取り出した卵の殻や貝の殻と同じようなものです。

その廃棄処分になる地域の名産品を混ぜて壁材を作れないか?しかも、できるか限りその名産品が壁の意匠として表面に見える状態が希望するとの事でした。

当社もはじめて依頼を受ける壁の素材でしたが、最大限の努力はするので、まずはその混ぜて欲しい素材を当社に送ってくださいと依頼しました。

素材が届き早速研究スタート。

 

 

物質は固く、太く、吸水性も少ない、なかなかの強敵。しかし、そんな素材でも採用検討しているホテルのイメージに合うデザインの壁材になるよう、壁材の主成分の選定や塗り厚の設定、施工が想定される下地への作業性と定着力など考えながら研究を重ねました。

研究の結果、たたき台となる壁材が数種類できたので、サンプルを設計士様に送付して評価していただきます。

 

 

あくまでもたたき台サンプルなので、これで確定ではないですが、もし、送付するサンプルの中に設計士様に納得いただけるデザインの壁があれば、ベースはあるので、色の変更やその他素材を追加して表面の質感の変更などは可能です。

 

ご紹介させていただいたように当社は使用したい素材から作るオーダーメイド塗り壁にもご対応致します。

ただ、素材を混ぜるだけでなく、採用予定の空間イメージ合うデザインになるように研究、開発致します。

こんな事できる?できない?わからない、判断できない場合でも、まずはお気軽にご相談ください。

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