左官職人の手配が難しいので塗装業者が施工可能な製品を
依頼いただいたのは、ある地方の工務店様。
その工務店様は長年競合他社との差別化にあたり、「自然素材の塗り壁を取り入れた住宅」を打ち出していたのですが、その地方では左官職人様の減少し、仕事をお願いできる方がいない事に頭を悩ませていました。
そもそも「自然素材の塗り壁」を差別化に取り入れていた理由は、呼吸や消臭などの塗り壁の性能はもちろんですが、一番の理由は塗り壁でしか出せないデザインの部分。
壁材として厚みを付けた立体的なデザインをつくれる塗り壁は、間接照明との相性が良くライトが当たる事で陰影ができ、空間に高級感や特別感をもたらすため、施主様に「ここの住宅はちょっと違うな」と感じていただきやすいそうです。
もう一つの大きな理由は「ここにいるとなぜか落ち着きますね」と言われる事。完成見学会などに参加いただいたお客様のアンケートにはそのように書かれている事が多いそうで、「自然素材の塗り壁」でしか感じていただけない重要な部分と考えています。
ただ、工務店様が塗り壁を施工したくても、鏝(こて)を扱う左官職人が減少し、お引渡し日までに工事を完了する事を想定すると、塗り壁を施主様に提案しずらくなっていました。
そこでこの度のオーダーメイドのご相談です。工務店様の地方では左官職人は減少しているが、塗装業(塗装職人)の方はかなり居るので、塗装で施工できる自然素材を使った壁材を作れませんか?というのが依頼内容です。
依頼を受け研究、開発をスタートしましたが、この依頼で苦労した部分はデザインの実現です。

通常塗装、塗料の材料は、ローラーや刷毛、スプレーガンによる噴霧で施工するので、施工する厚み(塗り厚)は非常にうすく、立体的なデザインを作ることができません。
しかし、もともと工務店様がコテで施工する塗り壁材にこだわっていたのは、厚く塗れることにつくり出せる立体的なデザインの部分。なので、塗装の材料ですが、ある程度の厚みで施工でき、立体的なデザインを作れる材料にしないといけません。
また、通常は塗装、塗料の材料の素材に使用する事がない「自然素材」を使用することもこの依頼の難しい部分でした。
難題をクリアし、工務店様に提案したのが素材に「土」を使用した下記のデザイン壁です。

サンプルをご覧いただいた工務店様は喜んでくださり、工務店様のショールームに施工していただく事になりました。
ショールームを訪れるお客様にご提案を行っていくそうです。
その後、ショールルームの施工前には、現場で施工する事になる塗装業者の方に施工レクチャーをさせていただき、その後施工していただきました。

当社ではお客様がしたい「デザインから」「施工方法から」「混ぜたい素材から」など、ご要望に合わせ壁材をオーダーメイドします。
壁材で選択でお困りの方はお気軽にご相談ください。

